TOP>写真記・文化>イングリッシュ・ペイシェントの風景 |
写真記 |
イングリッシュ・ペイシェントの風景 |
チュニジア南部。ここは度々、映画のロケ地として利用されることで有名です。「スター・ウォーズ」、「インディージョーンズ」などの人気作品もチュニジア南部の砂漠地帯で撮影されました。そしてそうした映画の中でもアンソニー・ミンゲラ監督でアカデミー賞9部門を独占した「イングリッシュ・ペイシェント」はチュニジアの砂漠地帯の美しさを見事に捉えた作品です。ストーリーへの賛否は観る人によって分かれる作品だと思いますが、ロマンチックで幻想的な映像には誰もが心を惹かれるのではないでしょうか。そんなイングリッシュ・ペイシェントのロケ地を紹介します。 |
ポッタリー・ヒルのベースキャンプ。 アルマシー伯爵とキャサリンが最初に出逢うシーン。 パイロットの夫、ジェフリーと共に、颯爽と飛行機から降り立つキャサリン。 見るからに繊細で神経質そうなアルマシーと知的で男勝りなキャサリン。二人の悲劇はこの場所から始まる。 |
|||
着陸した飛行機のバックに写る奇岩。それがこのらくだ岩です。 この映画の前半の主要な舞台です。 |
|||
カイロの市場。 アラブ人に囲まれて一際目立つキャサリンに突然話し掛けるアルマシー。 言い値で買い物をしたキャサリンに執拗に「僕がお金を取り返します」と言い張るアルマシー。 |
|||
どこか空回りするアルマシーと、挑戦的なキャサリンの態度。2人の緊張感のあるやり取りが撮影されたのは、実はチュニジア第2の都市、スファックスのメディナ。 映画の中と同様、今もスークは買い物客で賑わっています。 |
|||
砂漠。 砂丘を転げ落ちた2台の車。 キャサリンとアルマシーがこの場所に止まり救援を待つことに。 夜、突然の砂嵐を車の中でしのぐ2人。 アルマシーの指がキャサリンの髪を軽く撫でる。 そして、砂漠から無事に戻った二人は後に戻れない関係に陥る。 |
|||
オング・エル・ジャメルと呼ばれるらくだ岩の近くにある砂丘。 「砂」というよりも「粉」と言った方がぴったりくる細かく白い砂。その白い砂が空の色を映して変化していく様子はとても幻想的です。こんな場所で一夜を過ごせば、アルマシーとキャサリンでなくとも恋に落ちるかも。 |
|||
カラバッジョの回想シーン。 トブロクの港をドイツ軍が占拠する。 カラバッジョはドイツ軍に捕らえられ、拷問を受ける。 |
|||
ここの撮影地はスースという港町。「サヘル(沿岸)の真珠」と称えられるこの街はビーチ・リゾートととしても賑わいますが、冬の間、ヨーロッパから多くの人が避寒に訪れることでも知られています。街の中心にはかつてアラブ軍が各地への進攻の拠点とした城砦やモスクが残り、歴史を感じることができます。 |
|||
アルマシーが砂漠を越えて助けを求めに行くシーン。 キャサリンとアルマシーの関係を知り、飛行機で心中を図るジェフリー。一命をとりとめたキャサリンを泳ぐ人の洞窟に残し、助けを求めに走るアルマシー。 砂漠を抜けてようやくエル・タジの町の外れにたどり着いたものの、ドイツ人のスパイと疑われ、イギリス軍に捕らえられてしまう。 |
|||
このシーンが撮影されたのが廃墟の村、ミデス。アルジェリアとの国境地帯にあるこの村は1969年の洪水で壊滅し、今は廃墟となっています。 左上の写真は、アルマシーが砂漠を彷徨った後、ようやく町にたどり着き、イギリス軍の歩哨に見つけられる、まさにそのシーンと全く同じアングルです。 中央の白い道のあたりをレイフ・ファインズ演ずるアルマシーが歩き、ちょうど僕が写真を写しているあたりに歩哨がいたはずです。 |
|||
泳ぐ人の洞窟。 イギリス軍から逃亡し、キャサリンの元へ戻るために砂漠の地図をドイツ軍へ譲り渡したアルマシー。 ようやく、キャサリンを残した泳ぐ人の洞窟へたどり着く。 懐中電灯の光は、まるで眠っているかのように見えるキャサリンの姿を映し出す。 |
|||
「あなたはきっと、私を迎えに来てくれる。そして私を風の宮殿に連れて行ってくれる。私が望んだのは、それだけでした。あなたといっしょに、友人たちと一緒に、行きたかった。地図の無い世界へ。」 アルマシーが洞窟から出てくる。 パラシュートに包まれたキャサリンをその腕に抱いて。 そしてゴーグルとヘルメットを着けたアルマシーと、眠っているように首を傾けているキャサリンを乗せた飛行機が渓谷の上を飛び立っていく。 |
|||
「泳ぐ人の洞窟」のシーンが撮影されたのが、タメルザ渓谷です。 タメルザ・パレスはこの神秘的な景観の渓谷を見下ろす地に建てられた高級ホテル。ここに宿泊すればアルマシーとキャサリンが見つめたのと同じ星空を見ることができる、かも。 |
|||
この章終わり |
|